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2013年5月 5日 (日)

5月の映画 -先祖になる-

さて、前回の続き、今日は映画の内容と感想です。

「先祖になる」
Senzoninaru

舞台は、震災後の陸前高田市。津波で多くの家屋が流され、多大な被害が出た地域です。
そして主人公は、山間の集落に住む、佐藤直志(なおし)さん、御年77歳。

震災の映画か…と思うと、見る側はどうも、暗い気持ちになってしまうのですが、
このドキュメンタリーはちがった!!

とにかくこの、格好良くて、チャーミングで、カッコイイじいさんなのデス!
(私、格好いい2回言いました?)

震災後39日目の自宅。
2階まで水が上がってきたという家の中は、物が散乱し、布団の上以外は土足で歩くほかない。でも家は流されず、梁も水平を保っていた。「これが気仙大工の技術!」直志じいさんは胸を張る。
そうはいっても周囲はがれきの山、消防団員だった長男も津波で失った。

役所の人や自衛隊の人が避難所に移るように説得に来るが、頑として聞かない。
「ここは祖先から受け継いだ土地だ。おれは木挽き(木こり)だから、水さえあれば火をおこして煮炊きも出来る。おれはここから離れない、行政の力は借りん!」

まぁなんという頑固じいさんでしょう!
奥さんは正直呆れ顔…、たしかにこんな亭主に付いていくのは大変かナ(笑)

ある日、町内会の寄り合いにて。
「もはや、町内会の活動どころではない。いっそのこと町内会を解体し、積立金をみんなに分配しては」
なんて意見がちらほら。
しかし、ここで直志さんは、
「ここでいくらかのお金を配って解散するのは簡単だけども…。でもおれは、夢だけど、もう一度この土地に、新しい家を建てたい。そしてこの町が元に戻っていくのを見守りたい!!」
と、みんなの前で復興宣言しちゃいました!
もう後に引けなくなったというか、自分を追い込んだのです。

そして、このじいちゃん、有言実行なところがまたスゴイ。
暖かくなって、山が緑に覆われると、荒れ地に蕎麦の種を撒き、土地を借りてさっそく田植えを開始。
そして、山に入っては家を建てるのに使えそうな木を伐りに行く。
で、その様子がまた、見事なまでの美しさ。
まず、幹の下側に、くさびのようなV字型の切れ込みを入れます。そして反対側に回り、先ほどのくさび型の切れ込みに向かって水平に伐ります。すると、どんなに大きな木も、くさびの方にまっすぐ倒れていきます。チェーンソー1本で、これほど正確に伐採できる人も、現在ではそういないはず…。

でもねぇ奥さんが、
愛想を尽かしたのか?出て行っちゃうんですよね。
といっても、すぐ近くの仮設住宅に移ったんですけど。
もし私が奥さんの立場だったら…
うーん、やっぱり仮設に行っちゃうかも。

たしかに、直志さん格好いいし、すごく応援したい気持ちにはなるんだけど。
女性としては、やっぱりご近所さんや友人たちと離れて孤立するのはつらい。
嫁に来た自分としては、どうしてもこの場所に
家を建てたいという気持ちではない…。

なんか、両方の気持ちが、それぞれによく分かるんですよね。
そして、2度目の春を迎え…
直志さんの夢は叶うのか?
奥さんはその後どうなるのか?
続きは映画館で!!

震災映画というより、とっても格好良くて元気で素敵なスーパーじいちゃんの姿を見てみてほしいと思います。
とっても、元気になりますよ。
そして、ちょこっとだけ、切ない。

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ここからは少し、まじめな話ですが…
この世代の、こういう強さをもった人、ある意味本当の日本人だなと思ったりします。
以前、別の監督のドキュメンタリー映画に出ていたのですが、報道写真家の福島菊次郎さんと同じにおいがするなぁと思いました。
直志さんと菊次郎さんは、生まれも育ちも全く違うのですが、
ものすごく物腰が柔らかくて、普段は話し方も穏やかなのに、
自分の意志というものをしっかり持っていて、これだけは曲げられない。
そして、有言実行で、ぶれない。

これからは、こういう男性がモテると思います!
世の男性は、必見です!もちろん女性もね♪

参考URL:
先祖になる 公式サイト(http://www.senzoninaru.com/
映写室「先祖になる」上映案内(http://eiganotubo.blog31.fc2.com/blog-entry-374.html

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